【Daily Cargo広告企画】
ダッソー・システムズ×野村総合研究所

データ活用で物流改革、持続可能成長へ全体最適を

製造IT大手のダッソー・システムズは、3Dデータを基に業務をサポートする「3DEXPERIENCEプラットフォーム」を展開している。同プラットフォームを活用して生産革新を担うDELMIAブランドは従来、製造業の生産設計や製造計画などを支援してきたが、サプライチェーン計画・最適化ソフトウエアのQuintiqの買収を機にその機能を取り込み、顧客領域の拡大を図っている。日本でも領域拡大の一環として物流をターゲット分野の1つに据える。今回、ダッソー・システムズ日本法人でDELMIAブランドのディレクターを務める藤井宏樹氏、同社ソリューション・コンサルタントの水谷哲氏、そしてサプライチェーン分野でのパートナーとして協力する野村総合研究所(NRI)の水谷禎志・産業デジタル企画部上級コンサルタントへ、座談会形式の取材を行った。話は今日の物流を取り巻く環境の変化から、課題、データを活用した改革に及んだ。

  • 野村総合研究所
    水谷 禎志 氏
  • ダッソー・システムズ
    藤井 宏樹 氏
  • ダッソー・システムズ
    水谷 哲 氏

物流環境変化で3つのキーワード

ーー本日は物流業界全体の変化や現在の課題を踏まえて、どのような改革が可能かという話を聞きたいと思います。まず、野村総合研究所(NRI)の水谷さんは、日頃企業のサプライチェーンや物流に関わる中で、どのような変化を感じていますか。

水谷 禎志 氏

水谷 禎志 氏 野村総合研究所 水谷 禎志 氏(以下敬称略【NRI水谷】)製造業、流通業のお客様を対象にサプライチェーン改革のコンサルタントを務めています。その中には物流も含まれ、荷主企業の物流部門や物流企業の業務改革を支援させて頂いております。本日は、現在そして将来の物流を考える上で、新型コロナウィルス感染拡大への対応として出てきた「非接触物流」、そして「人手不足」、「環境負荷」という3つのキーワードを用いて、物流市場で起きている変化から話を始めたいと思います。
 まず「非接触物流」ですが、個人向けの宅配では配達員による手渡しに代わって置き配が増えています。ただ、「受取時間を指定したけれどやっぱり置き配にしたい」というニーズも生まれています。物流企業にとって、ある意味でこれはチャンスです。配達時間制約が緩和されることで、配達順序を工夫すれば稼働時間を短縮できることになります。非接触物流というと「ひと手間かかる」というイメージを持たれるかもしれませんが、制約が減ることで、現状の意思決定を見直し配送業務のパフォーマンスを改善できる機会が増えている訳ですね。
 次に「人手不足」はいまさら言うまでもないことですが、ドライバー不足が深刻化する中で、荷主企業が物流の意思決定に積極的に関わるようになってきています。従来、サプライチェーンの取り組みテーマというと販売部門と生産部門の間の調整や在庫最適化がメインでしたが、物流にもウエイトを置かなければならなくなっています。飲料製造業は国内に多数の在庫拠点を持つ業種の代表例ですが、曜日別の拠点間輸送量を平準化しドライバー不足に対応しようとする飲料メーカーが登場するようになっています。

藤井 宏樹 氏

ダッソー・システムズ 藤井 宏樹 氏(以下敬称略【DS藤井】)食品メーカーでは、受注翌日配送の習慣を見直して、「中一日」、つまり、受注翌々日配送に変えるなどの取り組みも出てきていますね。 【NRI水谷】そうです、ドライバーの積み込み時の待機時間短縮や倉庫作業員の作業負荷平均化という効果が見込まれています。3つ目の「環境負荷」については、欧州では地球温暖化ガス排出量ゼロに向けて、トラックから鉄道や河川舟運へのモーダルシフトが進められています。日本でもJR貨物が全国の主要ターミナルにマルチテナント型大規模物流施設「レールゲート」を展開し、鉄道とトラックの接続性を高めようとしています。幹線輸送で鉄道が使われるようになれば、ネットワーク全体の見直しのきっかけとなります。 【DS藤井】なるほど。非接触物流では日々の実行、人手不足では市場流通やネットワークなどの戦術、環境負荷で戦略的な話と、プランニングの3つの局面で従来のやり方を見直すような変化が起こっているという訳ですね。

実行、戦術、戦略を見直すきっかけに

水谷 哲 氏

水谷 哲 氏 ダッソー・システムズ 水谷 哲 氏(以下敬称略【DS水谷】)そうして整理していくと当社の事業とも接点が出てきますね。当社は企業の計画をサポートする上で、実際の世界をどうやってバーチャルに写すかということを主眼に置いています。まずは製品を3Dにすることから始めて、シミュレーションの範囲を工場などの生産現場にも広げてきた。今度はサプライチェーンをコンピュータの中でシミュレーションできるよう展開しています。
 今はデータの取得が容易となり、トラックの位置情報や渋滞情報などを集められるようになっています。トラックの話なども、データを組み合わせて計算すれば最適化できるでしょう。その計算を日々積み上げるとさらに、月当りトラック12台で回していたものが、月10台で済むのではないかと、こういった見直しも可能になってくる。物流業者はトータルの売り上げが下がってしまうかもしれませんが、もう一方の人手不足問題の解決にはつながる。トラック1台の効率が上がれば、企業にとっても業界全体でもウィンウィンになると考えられます。
【DS藤井】データが上手く使えれば、来月、再来月の売り上げの予測も立つ訳で、そうなってくるとコストダウンだけではなくてタリフの見直しや入札といった交渉の局面でも日々の計画精度や最適化の積み重ねが毎月の戦術に効いてくるということですね。 【DS水谷】計画の立案においては、理論的に日々のオペレーション、月々の戦術、中長期の戦略と三階層に分けて考えられています。データがあれば日々の話でも、月単位の話でもそのソリューションを翻訳して提供できる。これはコストダウンの話でもモーダルシフトの話でもそうです。ですから陸送に限らない、船でも飛行機でも。距離と時間、輸送コスト、それをどう計算するかの問題に還元できます。 【NRI水谷】正に同感です。物流というと陸上でも海上でも、また、国内でも国際でも結局は、たとえば1カ月分あるいは1週間分の輸送能力を予め確保した上で、その後の需要変動にどう対応するかというオペレーションが行われているんですね。加えて、今後どれだけの輸送能力を確保するべきかを決めています。それは日々の需要変動に対応するための意思決定とは別の意思決定になります。このことはトラック輸送のみならず海上コンテナや鉄道にも当てはまります。さらにはもっと先を見て、本当にこの区間の輸送手段はトラックだけでよいのか、他の輸送手段も検討すべきか、今の物流ネットワークや拠点配置は今のままでよいのか、それとも見直すべきなのかといった意思決定を下すことになります。つまり、物流の意思決定は日々、月々、中長期と3つに分かれているといえます。 【DS水谷】例えば配車トラックを何台確保するかを決めるのが月々の計画です。それを戦術と言って、何台確保するかをアウトプットとして決める。日々の話では10台、20台しかない中でどうするかということで、台数はインプットになる訳です。明確に意思決定のレベルとして切り分けるというのが計画系あるいはオペレーションズ・リサーチの理屈です。

産業・事業での「物流」の位置

ーーそもそも物流業界全体の話として、そういった理論的な戦略戦術の視点が弱いところがあるのではないでしょうか。 【NRI水谷】今までいろいろな企業様と会話させていただいてきましたが、一般的に荷主企業で物流部門を経営的重点分野として捉えているところはあまり多くないように思います。 【DS水谷】そもそも物流費は、製造業では原価に入ってないんですね。マーケティングの花形からも疎外され、モノづくりの王道と言われている製造にも弾かれ、販売管理費にされてしまっている。 【NRI水谷】そうですね。物流費は必要なコストなのですが、荷主企業の中で「物流部門でこういう改善を行いたいからシステムに投資してほしい」という稟議を通すことは、なかなか難しいようですね。もちろん、物流の戦略戦術をしっかり考えている企業もありますが、それはどちらかというと少数派だと思います。 【DS水谷】ITについて、日本は守り型、欧米は攻め型だと良く言われます。要は現場の効率か、経営課題に対して使うのかという違いです。当社のソリューションは設計して計画を立てて実行して、問題があれば設計や計画に立ち返って修正してというスパイラルを上手く回すことで品質やコスト、納期(QCD)をトータルで改善しようとするものです。ですが、日本の企業は慣習として全体最適よりも部分的な効率化のためにシステムを使っているところがある。ぶつ切りの視点を皆さん持っておられるので、全体最適のアプローチの仕方を考えなければとは思っているところです。

経営課題としての物流

【NRI水谷】日本の製造業でよく言われることですが、日本の物流業も「現場が強い」と言われます。経営者もそういう認識をお持ちの方が多く、「意思決定は現場に任せる」というスタイルが一般的だと思います。一方、欧米企業は経営者がしっかりと現場を管理しないと、現場が動かないことが多いと聞きます。日本企業はある意味で恵まれている一方、次に述べるマイナス面もあります。
 マイナス面とは数学の話になりますが、問題を分割して解こうとすると得られる解は最適から遠くなるんです。「意思決定は現場に任せる」となると、どうしても問題を分割して解くことになります。問題を分割して解くのではなく、複合的な問題を「大きな塊」で捉えていけばもっと良い解が見つかる可能性があるのに、その可能性が見逃されているのではないかと思います。
【DS水谷】現場がいくら優秀だったとしても、現場から共同物流の話は絶対出てこないですよね。 【DS藤井】現場の強さが弊害になっているということですね。一方で外部環境の変化で物流が経営課題になっている面もあります。 【NRI水谷】先程は物流市場の変化について3つキーワードを挙げさせてもらいましたが、課題としては物流業界が就職先として人気が高くなく、人材確保が危機的な状況にあることがあげられます。昨今ですと就職先として人気が高いのはIT業界であり、物流業界は人気が低く、若い人が入ってこないのです。若いというのが重要で、若ければ色んなアイデアやツールを使うことに躊躇もしないし、積極的に取り込もうとする意欲が高いと思うのです。DELMIA Quintiqのような道具があっても、それが使われない理由の1つは人材確保難にあるのではないかと思っています。 【DS水谷】ベテランに現場が支えられているというのも大きいですね。そういう意味では状況に恵まれていて、ちゃんと回っている現場は多いので、経営者は心配しなくて良かったのです。しかし5、10年後に、今経営陣が対策せずにオペレーションを維持できるのかは難しいところがある。サステナブルな経営を志向していく中で、入社してすぐの人でもそれなりのオペレーションの精度を保てる、そこの仕掛けが必要だと思います。 【DS藤井】だいぶ議論が進んできましたが。やはり日々の話、月の話、年単位や長期的な話と、実行・戦術・戦略の三階層で考えることが重要だと思います。それを前提にして、1つひとつの課題や問題はコンピュータで解くことができる。その気付きが重要です。それでじゃあどういうツールを使えばいいんだとなった時に、当社のDELMIA Quintiqがその選択肢の一つになります。

各レイヤーの課題を統合ツールで解決

ーー経営判断から現場までの各段階において、DELMIA Quintiqは最適解を導くサポートになるということでしょうか。NRIの水谷さんはコンサルタントとして企業のサプライチェーン改革支援の経験をお持ちと伺いましたが、水谷さんはDELMIA Quintiqの何に魅力を感じたのでしょうか。 【NRI水谷】他に類例のないソリューションという印象を受けたからですね。「解けないと思っていた問題を、こういう風に解けるツールがあるんだ」と驚きました。 仕事柄、物流領域のソリューション情報を収集していますが、これまで話してきた実行・戦術・戦略、この三階層の課題を、1つの統合したソリューションで解決できるツールというものがなかなか見つからなかったのです。DELMIA Quintiqを使えば、ラストマイル輸送だけでなく幹線・長距離輸送も分析や最適化が可能ですし、今日まだ出てきていないクロスドック拠点やネットワーク設計なども対応できます。先ほどお話ししたように、問題は分ければ分けるほど解くのは簡単ですが、得られる解は最適から遠くなります。統合されているツールであれば、複合的な問題を解く際に威力を発揮すると思うのです。

物流戦略の設計から戦術の策定、具体的な手配の実行まで、あらゆる業務を数値化し、物流の全体最適を行う。

【DS水谷】ラストマイルはラストマイル、ソーティングはソーティング。業務や領域ごとにシステムを作るのが常道ですが、それだと費用も莫大になるし、各システムにオーバーヘッドが生じるんです。そのため、DELMIA Quintiqでは全体最適化のアプローチを採って、色んなところに使えるようにしようというコンセプトになっています。 【NRI水谷】DELMIA Quintiqのコンサルタントの方とも話をしましたが、難しい問題を解くことに熱意を持つ方が多いんですよね。いまだかつて誰も解いたことがないような、複雑な問題を解かなければならないという状況を迎えた時に、頼りがいのあるエキスパートと協力して課題を解決できたりするのかなという期待を抱きました。 【DS藤井】「解く」というワードが増えていますが、何ができて、ユーザーにとって何がメリットなのかと言えば、分かりやすいのがコストダウンだと思います。トラックの話で言えば、走行距離、貨物の量、トラックやドライバーの数、納期などのパラメーターがあって、データを入れることで最適解を出せる。その結果、どれだけコストが減らせるかが分かります。また、どの点を重視するか、例えば排出量などパラメーターのウエイトを調整することも可能です。 【NRI水谷】そうですね。ラストマイル配送以外のところで言えば、幹線輸送や拠点ネットワークなどの領域についても、大手の物流業者であれば日本国内や海外各地に多数の拠点を持っていると思いますし、メーカーは、工場で生産した製品を全国に供給するため各地に在庫拠点を構えています。拠点数が多くなるとネットワークが複雑になり、拠点間幹線輸送の配車繰りやドライバー繰りが難しくなります。拠点ごとに分割して問題を解くこともできますが、全拠点を統合して問題を解くことで、今よりもよい状態に到達できる可能性があると思います。 ーー今、様々な利用の可能性を話してもらっていますが、物流企業にとっての本質的な部分での活用をもう少し踏み込んで説明してもらえますか。 【DS水谷】おそらく各レイヤーでの判断は参考にするデータ元も異なっていると思います。現場は一般業務管理(GMS)、戦術を考える人は輸送管理データなどのデータベース、経営者は各拠点などの収支レポートですね。DELMIA Quintiqはそれらを1つの流れとして捉えることができる。TMSや取引データと、ERPや経理の情報を統合できるのです。今実際動いているデータから引っ張ってきて業務や判断に生かすことが可能です。
 実際、計画担当者はデータの参照で困ることが多い。3カ月、半年前の実績を基に計画を考えなくてはならない。一方で、世の中はずっと動いている。コロナの影響では1週間で状況がガラッと変わってしまう。流れとして最新の状況を捉えるのが当社のDELMIA Quintiqです。動いている中で、全員が同じ情報を見て個別の計画も立てられるし、全体で計算する時のそれを支える計画の数字も持っている。
【NRI水谷】DELMIA Quintiqのポイントは、たとえばラストマイル配送のようなピンポイントの問題を解く場合に使えるだけでなく、複合的な問題を解く場合にも使えるということだと思っています。後者の場合、部門間コミュニケーションが充実し、意思決定の迅速化に繋がっていくでしょう。これは企業経営にプラスの効果をもたらすことになると思います。

バーチャルツインで未来の物流構築

ーー話は前後しますが、外部環境の変化が従来の物流を見直すきっかけとなる一方、データを使った改革もできるようになるとの話でした。将来の物流という視点での使い方はどうでしょうか。 【NRI水谷】日常生活で、受取時間を指定して注文した商品を受け取ることがよくありますよね。その時、必ずどれか1つの時間帯を選びますよね。それを選ぶ際、たまに苦労しませんか。「14~18時に受け取りたいのに、14~16時あるいは16~18時のいずれか一方しか選べない」とか。言いたいのは、ややもすると物流サービス提供者側が自分たちの都合で消費者の選択肢を狭めてしまっていて、消費者の真のニーズが分からなくなっているということです。
 データを使った最適化やデジタル化でそれを捉え直すことができるのではないでしょうか。
【DS水谷】今の話はちょっと先の話にはなると思いますが、面白い視点です。データで複雑な計算をして、さらにそのデータを積み上げて判断してということを、継続していくとさらに高いレベルの最適化への強い基礎になります。足腰を鍛えると高く飛ぶことができると同じことだと思うんです。日々のオペレーションからデータで計画していくことが、信頼できる判断のソースになると思いますので、そういう風にデータと付き合っていくことが重要ですね。 【DS藤井】DELMIA Quintiqを始め、当社の製品でバーチャルツインのシミュレーションができます。製造業で製品や工場を無数にあるwhat if (もし~なら) シナリオでシミュレーションするのと同じで、様々なアイデアをバーチャルの世界で検討することが物流でもできると思います。今までの発想に風穴を開けることだって可能です。
 このDELMIA Quintiqを日本の市場に展開するにあたって、物流業界のコンサルティングで大きな実績を残しているNRI社とのパートナーシップには本当に期待しています。DELMIA Quintiqはグローバルで様々な実績があり、ベストプラクティスを蓄積しています。また、NRI社は日本の市場についても、計画システムの難しさについても良くご存じで、さらに、DELMIA Quintiqの良さも理解してもらっています。その相乗で生まれる価値を早く日本の企業にも感じてもらいたいですね。
【NRI水谷】DELMIA Quintiqのようなソリューションには、マーケットとしてのチャンスもあると思います。日本の物流市場も大きな変革の時を迎えていますので、データ活用で物流改革を推進する企業の経営層の方々に届けていきたいですね。

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