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2022年1月14日

12月の世界の航空貨物1%増
物量の伸び鈍化も運賃はさらに上昇

 航空貨物の業務アプリケーションを提供するCLIVEデータ・サービシーズによると、昨年12月の世界の航空貨物の搭載重量(チャージャブル・ウェイト)は前年同月比1%増だった。物量はかろうじて前年超えも、2019年同月比では5%減。11月に引き続き、新型コロナウイルス前の水準を下回って減少幅も拡大した。CLIVEでは、引き続きサプライチェーンの混乱や主要空港の貨物地区の混雑、オミクロン株への懸念などが荷動きの上昇を抑制したと見ている。ただ、前年同月は世界的に荷動きが急回復しており、重量水準は引き続き高いままだ。これを反映し、12月の運賃は19年同月比で168%と上昇を強めた。

 棒グラフは12月の世界の航空貨物の搭載重量と供給スペース、搭載率、運賃を19、20年同月と比べて増減率を示したもの。新型コロナの影響から立ち直りを見せていた前年同月からは重量が1%、供給スペースが11%増といずれも前年超えを維持した。ただ、コロナ前の19年同月比では重量が11月に6カ月ぶりに3%の減少に転じて12月も5%減と減少幅を拡大。物量の伸びが弱まっている。線グラフを見ると、21年の物量は大半の月でコロナ前を上回ったが、12月は最も減少幅が大きい月となった。

 CLIVEがまとめる航空貨物搭載率の独自指標「ダイナミック・ロードファクター(動的LF)」を線グラフで見ると、12月は65%で11月からは1ポイントの低下。物量の伸びが弱まったことに反し、スペース供給は19年同月比で12%減と11月から1ポイント改善しており、スペースの逼迫度も弱まった。一般的にスペースの逼迫が弱まれば運賃も低下するが、12月の運賃は19年同月比で168%の上昇。10月の155%、11月の159%をさらに上回った。CLIVEでは、「すべての輸送モードで商品輸送がより複雑になったことは確かで、これが引き続き料金を上昇させた」としている。

 CLIVEでは、21年後半に見られた、物量の伸びの鈍化に反して運賃が上昇し続ける背景として、「現場の問題がバリューチェーンの効率に影響を及ぼしている」と説明。オミクロン株の急激な感染拡大に伴うスタッフの稼働率への影響に加え、一部地域での厳しい外出規制による企業や消費者への影響が、荷動きの鈍化と運賃の高騰を両立させているという。この状況は航空輸送だけでなく海上輸送など全ての輸送モードに当てはまることから、引き続き短期的な解消は見込めなそうだ。