海運

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2022年1月14日

マースク
脱炭素化目標を2040年に前倒し
30年までの中期目標も設定

 マースクは12日、これまで2050年としていた脱炭素化目標を2040年に前倒しすると発表した。海上輸送だけでなく、エンドツーエンドのサプライチェーン全体で40年までにネットゼロの達成を目指す。さらに短期目標として、2030年までにコンテナ1本当たりのGHG排出量で50%削減、ターミナルからのGHG排出を絶対量で70%削減するとしており、これらの達成に向けて海上・航空輸送でのグリーン燃料の利用拡大を進める方針だ。

 マースクはもともと、2018年に「2050年までに輸送事業をカーボンニュートラル(炭素中立)化」する目標を公開していた。今回、この達成時期を10年前倒しして2040年とするとともに、対象範囲を海上輸送のみならず、マースク・グループの事業全体を含める方針とした。今回の方針は、世界的な気候変動対応のための共同イニシアチブであるSBTi(Science Based Targets)と歩調を合わせたもの。SBTiは企業に対し、気候変動による世界の平均気温の上昇を、産業革命前と比べて1.5度に抑える目標に向け、科学的知見と整合した削減目標を設定することを推進している。マースクのソレン・スコウCEOは「あらゆる輸送モードでエンドツーエンドの物流サービスを提供する事業者として、海上輸送だけでなく事業全体でネットゼロ目標を目指すことは非常に重要。今回の目標や、社会と顧客双方へのコミットとなる」とコメントした。

 さらに2040年に向けた短中期の目標として、2030年までの削減目標も新たに設定した。海上輸送においては、マースク船隊で輸送するコンテナについて、1本当たりGHG排出量を50%削減するほか、ターミナル事業では自社保有のターミナルについて、排出量を絶対量で70%削減する。今後のコンテナ輸送量の増加率によって変動するものの、2020年比で35%から最大50%のGHG排出量の削減に繋がるとしている。

 さらにこれらの目標達成に向け、GHG削減の取り組みでスコープ1に当たる直接排出の削減だけでなく、倉庫運営や内陸輸送、船舶建造などスコープ2に当たり間接排出の削減に向け、グリーン燃料の利用拡大を進める。海上輸送では、2030年までに全輸送量のうち25%をグリーン燃料を使用して輸送する体制を目指す。また航空輸送では、最低でも30%をSAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)へと切り替え、さらに倉庫やデポなどを活用するコントラクトロジスティクスおよびコールドチェーン分野では、オペレーション全体で最低9割以上でグリーン燃料へと切り替える。内陸輸送に関しては、2022年中に業界主導的な目標値を設定する方針としている。