2026年6月11日無料公開記事
航空集配サービス
成田2拠点で機能強化、環境変化に対応
医薬品専用車両。追加導入も計画する
航空集配サービスは、成田地区の2拠点で航空貨物関連の物流サービスを強化している。輸入生鮮貨物を主力とする成田支店と、保税・倉庫・温度管理貨物を扱う成田ロジスティクス支店がそれぞれの機能を生かし、成田空港発着貨物の多様なニーズに対応する。生鮮品、医薬品、一般貨物を取り巻く市場環境が変化する中、両支店で輸配送、保管、荷役、爆発物検査などの対応力を高め、成田地区での事業拡大を図る。
成田支店では、輸入生鮮貨物を中心に、成田空港からの搬出、仕分け、保管、配送を担っている。足元では円安や消費動向の影響を受け、マグロや切り花など一部品目で荷動きが弱含む。一方で、国内養殖サーモンなど国内貨物の取り込みにも取り組む。成田空港には国内貨物を扱うフレーターの就航など、国内ネットワークの拡充の動きもあり、同支店では空港から先の配送や保管ニーズを新たな商機と捉える。
国内物流の開拓では、自社の低温物流機能に加え、協力会社との連携も重視する。生鮮貨物は全国配送や拠点間輸送のネットワークが重要となるため、案件に応じて協力会社と組み、輸送網の拡充を図る。成田支店は大型車や4トン車を含む自社車両も保有しており、案件拡大に合わせて車両やドライバーの確保も進めている。津本雅弘成田支店長は「生鮮貨物で培った低温物流のノウハウを生かし、輸入だけでなく国内貨物の需要も取り込んでいきたい」としている。
羽田空港との連携も進める。従来は羽田に到着した貨物を成田へ集約するケースが多かったが、顧客の利便性を高めるため、羽田での引き渡しや羽田到着貨物の配送にも対応できる体制を整える。都内向けなどでは、成田に集約せず羽田から直接配送することでリードタイムやコストの面で利点が出る場合もある。成田市場に関連する輸出入貨物についても、横持ちや配送、付帯作業などで支援できる余地を探る。
一方、成田ロジスティクス支店では、医薬品を中心とした温度管理貨物の対応を一段と強化する。同支店では医薬品専用施設「NRT-KMedical」と「KCOLD」を活用しており、足元では特に冷蔵(2~8度)帯の需要が拡大している。従来は15~25度帯の定温貨物が中心だったが、輸入医薬品を中心に冷蔵帯の引き合いが増えており、既存スペースの用途見直しも進める。
具体的には、KCOLDの一部定温スペースを2~8度帯に切り替え、冷蔵スペースを拡充する計画だ。これにより、200平方メートル程度の冷蔵対応力を追加する見込み。医薬品メーカーやフォワーダーからの引き合いは強く、需要動向を見極めながら施設の使いやすさを高める。佐藤佑樹成田ロジスティクス支店長は「2~8度帯のニーズは引き続き強い。既存施設を有効活用し、需要に応えられる体制を整えていく」と話す。
輸配送面では、医薬品専用車両の追加導入も計画している。既に温度管理対応の専用車両を運用しているが、需要拡大を踏まえ、来年度中の増車を視野に入れる。集荷・配送から一時保管、荷役までを自社で一貫して担える点を強みに、医薬品物流の品質向上を図る。また、爆発物検査体制も強化しており、成田ロジスティクス支店ではX線検査装置を活用し、温度管理貨物を含めた保安対応を進めている。
成田ロジスティクス支店では一般貨物でも、新たに活用できる倉庫スペースが広がる見通しだ。今後は常温貨物や国内物流案件などでの利用を検討し、保税・倉庫機能のさらなる活用を図る。航空集配サービスは、成田支店の生鮮・低温物流と、成田ロジスティクス支店の医薬品・保税物流を組み合わせ、成田空港周辺で輸出入貨物を支える機能を高めていく。