2007年12月20日
管制塔
◆月島。木枯らしの凍みる冬の晩。コートの襟を立てて駅からの道を歩く。冷気に曝された肌が赤く焼ける。悴(かじか)む手をポケットの中で温めながら、大通りを左に折れて、薄暗い路地に入る。嘘のように風がおさまり、目を上げれば、ほの明るい店先がもう数歩のところに見える。暖を求めて、知らぬ間に足が軽くなる。腹は空き過ぎたと言うほどでもない。頭上に開いた細い夜空に、明日の満月が顔を背けて浮いている。ちらと見て、...
新規会員登録の方はこちら
- ・新規会員登録はこちらからお進みください。
- ・フリートライアルの申込みもこちらから。