2012年5月24日
【展望台】祖母の七回忌と沖縄
母方の祖父母の家は病院だった。タイル貼りのフロアと廊下に待合室や受付があり、診察室を覗(のぞ)くと、グレーの机といすが並べられていた。奥まった部屋には、薬を量る上皿天秤(びん)と分銅、そして薬を包むきれいな白い紙が置かれていた。
自分が物心つくころには、すでに診療はしていなかったが、受付や診察室はしばらくそのまま残されていた。たまに遊びに行った時には、上皿天秤や聴診器で遊ぶことが常だった。...
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