【熱帯の憂鬱〈大人のためのＥＮＮＵＩの香り漂うエッセイ〉（５）】

■続・空飛ぶプンバントウ 　（２）許せないケース＝夜、食事の後喉が渇き、ビールを取りに部屋を出て台所に入った。いた！　何匹もＫＥＣＵＡＫ（コチョワ、ゴキブリ）がタイルの床をはいずり回っている。殺虫剤と新聞をひっつかみヤッタ。そして、そおっと流しの下の扉を開けた。大群がうごめいているではないか！　無我夢中でまきにまき、たたきにたたいた。住み込みの彼女を呼び「君は毎日何をしているのか！　毎日まかんか...