2014年4月22日
【熱帯の憂鬱 大人のためのENNUIの香り漂うエッセイ(52)】
■ある日のバリのカフェバーで
空が茜色に染まり始めて熱帯の夕暮れがせまる。熱帯は夕暮れがよい。朝は日の光が強すぎる。バリのLOVINAの海岸から少し入ったごく小さなカフェバーで一人で飲んでいた。「この席は空いていますか?」「どうぞ」。
向かいにバリ人の若い男と白人系には珍しいほど小柄な中年の男性が腰掛けた。「僕はマデ、彼はハンス」とバリ人が手を差し伸べたので握手をした。小柄な白人も手を出し...
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