【四海茫々（11）】真藤教信者

　“ぼりばあ丸”“かりふぉるにあ丸”の海難原因を追う取材は訪問する先々で嫌がられた。ことに造船会社の方々は大いに迷惑したはずである。記者も嫌だったが、海難キャンペーンが終わるまでの苦労であり、終われば造船以外の部署に回してもらえるものと勝手に思い込んでいた。ところが配転はなく、引き続き造船を回れとデスクから指示された。 　その晩は痛飲した。翌日、重い気持ちのままＩＨＩ（石川島播磨重工）の広報室...