2016年11月22日
【四海茫々(210)】運命の夏
1994(平成6)年春、川崎汽船の定航関係者は落ち着かない顔を見せていた。何とかなると思いつつも確たる当てはどこにもないという、中途半端でうそ寒い感じだったかと想像する。中島みゆき作詞作曲の『春なのに』を持ち出し笑わせようとしたが、誰も乗ってこなかった。歌詞の中にあるリフレーズのせいであろう。「春なのにお別れですか」の文句が悪い冗談になってしまった。
その時点で川汽はまだ協調配船体制の中にあ...
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