2017年2月21日
【四海茫々(227)】てんやわんや
獅子文六の小説に『てんやわんや』がある。1948(昭和23)年12月から翌年4月にかけ毎日新聞で連載された。敗戦からまだ日も浅く、人々は日々の暮らしを立てるため大わらわだった時期である。ちまたには笠置シヅ子の『東京ブギウギ』が流れていた。小説は四国南予地方の村を舞台とする荒唐無稽な筋立てになっているが、てんやわんやなる題名は当時の社会の実相を見事に言い当てていた。戦後の混乱はその後も続き、54(...
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